外壁のひび割れについて。堺で家を塗装する際の注意点
2020/05/31
堺の外壁塗装の現場であった!
本当の怖い話。
今回は堺の塗装現場で本当にあったひび割れについての怖い話をしたいと思います。
本当にあった怖い話と言うのは少しオーバーですが、ちょっとホラー感を出したくなりました笑
そこはおいといて、今回は木造住宅の外壁の膨張率とひび割れ(クラック)についてお話ししたいと思います。
よく伐採され建築資材用に加工されて木でも、木は呼吸をしている。とか、伸縮する。と言った話を耳にしますが、これは本当なんですね。
気温などにより木造住宅に使用されている柱や下地材も温度や湿度などにより生きているかのように伸縮するんです。 もちろん木材のみならず、雨樋や排水管などに使用されている塩ビも温度の変化により伸縮するんですね。
木材の場合、温度が上がると乾燥が進み湿気を吐き出す事で縮んでしまい、湿気を吸収すると伸びる。
このカラクリで伸縮するんですが、
この伸縮率が半端ないと改めて実感する出来事に遭遇しました。
堺市のお客様の外壁塗装の現場なのですが、こちらのお客様の外壁は、モルタル塗りの外壁でALCのように一定の幅で目地が打たれてる外壁でして、
この目地にもただ見栄え的なもので設けている訳ではありません。
必ず自然に発生してしまうひび割れは発生しやすい場所があります。
窓などの開口部の四隅などがひび割れの起きやすい場所となります。
その他にもひび割れが起きやすい場所は多数あり、ひび割れが起きやすい場所に予め目地を設ける事でその目地にひび割れを誘導しようとする考えのもと設けられた目地でこれを「誘発目地」と言うそうです。
必ず自然に発生してしまうひび割れを、人の手によって設けられた目地にひび割れを発生させて、
ひび割れを起こさせたくない場所にひび割れを発生させない狙いがあります。
この目地を設ける事で築30年を超えるこの建物にはほとんどひび割れは発生していませんでした。 見事なものです。
では何故、そもそもこのひび割れは起こるのでしょうか?
ひび割れ(クラック)が起こる原因。
1.ひび割れは乾燥により発生します。
モルタルを塗って乾いたように見えても実はモルタルはしばらくは乾燥し続けています。
新しく塗ったモルタルが2年、3年ほどで発生してしまうひび割れはモルタルが完全に乾燥したお知らせであり、新築などではある意味、外壁の状況が整ったと言うサインでもありますが、やはりひび割れは良くないものなので早めの手入れが必要です。
2.経年劣化によるひび割れ。外壁にモルタル塗りが施されている場合、このひび割れからの雨漏れなどを守る役割を果たすのが外壁塗装の塗料なのですが、この表面に付着している塗膜が、紫外線に晒されてしまう事で、
ラジカルと言う物質を発生させてしまい、このラジカルが外壁の塗膜を痛めてしまいます。
この繰り返しにより塗膜は徐々に防水性能を無くし、雨水が塗膜の下にある、モルタル層へと浸透していき、
モルタルが雨水を吸収する事により、膨張と伸縮の負荷がかかり、ひび割れが起こってしまいます。
その他、地震や道路面に面している建物は、大型車が通る時の振動なども原因の一つです。
また、こちらも木材と似ていますが、気温の変化も影響を及びます。
気温が上がる事で膨張し、気温が下がる事で伸縮します。 この寒暖差が激しい場合もひび割れの原因となります。
そして、モルタルを練る際の配合などの不具合=施工ミスなどももちろんひび割れを発生させます。
外壁の定期的メンテナンス
メンテナンスの大切さ。
ここまでひび割れのカラクリを色々ご説明しましたが、これらを防ぐ、ひび割れによる老朽化の加速を食い止めるには外壁の定期的メンテナンスです。
ひび割れから外壁内部へと雨水が浸透すればするほどモルタルは膨張を繰り返しクラックはどんどん広がってしまいます。
クラックがどんどん広がって行くと、当然雨水の侵入経路が広がり、雨漏れの量も増えます。
外壁内部に雨水が入れば外壁の木下地に浸透し、内壁へと浸透が進みます。
これが繰り返されると家の骨である柱や土台の腐食に繋がり床下に湿気がこもる事でシロアリが発生してしまい、
そのシロアリが家の骨組みである、柱や土台を食い荒らしボロボロにしてしまうと言う、非常恐ろし連鎖が引き起こされてしまいます。
これらを防ぐ為にしっかりとした、メンテナンスが必要となる訳です。
話はかなりそれてしまいましたが、
それらを防ぐ役割の一つである目地。
下の二枚の画像をご覧下さい。
これは同じ目地ですが明らかにひび割れが発生
こちらは夕方に撮影した同じ目地
この二つの目地の違い。
一目瞭然ですよね。 この目地、実は同じ目地です。同じ目地の同じ場所です。
午前中の画像を見ると写真では分かりづらいですが、うっすらと細いひび割れが走ってます。 ヘアークラックと言われる髪の毛のような細いクラックです。
目視でもかなり目を凝らして見ないと全く気がつかない程度です。
こちらのお客様の建物の立地状況ですが、午前中の日差し=東面の日差しが強烈で非常に過酷な立地条件となっており日が昇るにつれ、建物が非常に激しく照らされる事で、
外壁の東面から温度が上昇します。
お昼頃には屋根もカンカンに照らさせて屋根の温度もグッと上がり、午前中の東面の外壁からの熱と
お昼頃の屋根からの熱が外部から内部へとどんどん伝わり、建物自体の温度が上昇する事で
外壁のモルタルや内部の外壁下地材、骨組みである柱などが、熱を持ち膨張する事により開いた誘発目地のクラックです。
そうなんです。午前中と午後でこんなに状況が変化しています。
誘発目地が役割を果たしている事が形としてはっきりわかる状況ではありますが、この温度差による開き具合は非常に気をつけないといけないポイントですよね、、
しかも、こちらの目地は塗装を施した後の状況だからビックリです。
一通り塗装が終わり、最終チェックの際に発見出来たので良かったですが。
当然、塗装前にひび割れ箇所は全てコーキングなどで補修してから塗装します。 この補修も一度では見落とす事もあり、必ず2度ぐるりと建物全体をチェックします。
そして、朝の段階でのこのヘアークラックほどですと、下塗りの塗料で保護出来るとも言われてるクラックに見えるほど、非常に小さなものです。
下塗り材で弾性のある塗膜を作り、その上から2回塗膜を施し計3回。
しかも、下塗りの微弾性塗料の弾力は結構ありまして、固まった塗料を指で引きちぎろうとするならばまぁまぁ力が必要になるほどの弾力なのですが、、
それらを引きちぎるほどの膨張率があったと言う事です。
良しも悪しもこの誘発目地が施された外壁は注意が必要です。
目地の場所や立地条件、様々な状況が、重なり発生したとは言えど、かなりの膨張率には正直ビックリでした。
こちらの目地は補修して再度塗装して完了。
再度、全ての目地をチェックしましたが、問題はありませんでした。
誘発目地が施された外壁は目地部分に要注意です。
施工業者さんにはしっかりチェックして頂きましょう。
当社では水まわりリフォームも施工しており、水まわりリフォームでは様々な落とし穴を経験しておりますが、
こちらもまたまさかの落とし穴でした。
誘発目地と外壁モルタル塗りのひび割れについてのお話しでした。
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